1: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:01:40.79 ID:vDiHYXNLO
まほ「最近油断すると何かを食べてしまうんだ」
エリカ「食欲の秋、ですね。美味しいものが多くてついつい食べ過ぎてしまいます」
まほ「その、ついつい、というのがなぁ」
エリカ「ひょっとして少し太ってしまってお悩みですか?」
まほ「いや、食べた分は動いているから幸い体重に変化はないのだけれど、少し自制しないといけないと思って」
エリカ「なるほど」
まほ「最近は特に各校からの食事のお誘いが多いから余計に気になってしまう」
2: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:21:53.33 ID:vDiHYXNLO
まほ「この前はみほと食事に行く機会があって…..」
~回想~
みほ「お姉ちゃん、ここ結構量が多いから気をつけてね」
まほ「わかった。それじゃあ、このセットで」
店員「かしこまりましたー」
みほ(うーん、お姉ちゃんの頼んだやつ、この前食べきれなかったんだけど大丈夫かな?)
店員「お待たせしましたー」
みほ(わ、やっぱり多い。うーん、わたしの方も食べきれるか不安だよ……)
まほ「……」もぐもぐ
みほ「……」もぐもぐ
みほ「……うーん、お腹いっぱい」
まほ「確かに少し多かったわね」
みほ「うん、わたしちょっと残しちゃうかも」
まほ「もったいないな。わたしが食べようか?」
みほ「え?お姉ちゃんまだ食べるの?」
まほ「え?」
~回想終わり~
3: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:28:51.80 ID:vDiHYXNLO
まほ「ということがあったのよ」
エリカ「それは副隊長…..いえ、元副隊長が小食なだけでは?」
まほ「そうかしら?」
まほ「食事の量もそうだけど、間食も多くなってしまって」
エリカ「間食ですか…..」
まほ「ついついお菓子に手が伸びてしまって、この前もお昼前にパンを食べてしまって」
エリカ「なるほど、ちなみに何を?」
まほ「黒糖フークレ」
エリカ「黒糖フークレ?え?黒糖フークレ??」
まほ「まるごとをぺろり」
エリカ「まるごとを!?」
エリカ「……それ、お昼ご飯を食べられなかったんじゃ…..」
まほ「いつも通りカレーを一皿」
エリカ「いつも通りということは、大盛りですよね?」
まほ「……最近は特盛」
エリカ「特盛って!二人前じゃないですか!!」
4: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:35:01.76 ID:vDiHYXNLO
まほ「しかも、その1時間後にはもう小腹が空いてしまって…….」
エリカ「まさかまた黒糖フークレですか?」
まほ「いや、流石に黒糖フークレは飽きたから薄皮クリームパンを」
エリカ「5個のうちいくつですか?」
まほ「…….8個」
エリカ「ほぼ二袋じゃないですか!!」
まほ「それで、クラスメイトに『最近よく食べるけど戦車道ってそんなにお腹空くの?』と言われて….」
エリカ「確かに食べすぎですね」
5: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:40:50.76 ID:vDiHYXNLO
エリカ「学校が終わってからはどうなんですか?」
まほ「夕方は、流石に買い食いは出来ないから我慢して、その分菊代さんにたくさん夕飯を作ってもらうのだけど足りなくて」
エリカ「それで、夜食ですか?」
まほ「…….お茶漬けとお味噌汁とあと焼き鮭」
エリカ「なんでそんな朝食っぽいチョイスなんですか?」
まほ「ごまかせるかな、と。自分を」
エリカ「なんで自分を騙そうとしてるんですか……」
6: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:48:13.02 ID:vDiHYXNLO
まほ「あとはこの前みんなでノンアルコールビールを飲んでた時だけれど……」
~回想~
まほ(優勝を逃してしまったけれど、チームの雰囲気は悪くはない。エリカも力をつけているし、来年こそはきっと……)
黒森峰生「隊長、追加のお肉です」
まほ「ありがとう。あなた達も気を使わず食べて」
黒森峰生「はい!」
まほ「…….」
~回想終わり~
エリカ「え?おかしなところはどこにも……
まほ「問題はこのやりとりを参加していた後輩のほぼ全員とやったということよ」
エリカ「へ?全員って、あの時50人はいましたよね?」
まほ「そう、50人が持ってきたお肉を気付いたら食べ終えていた」
エリカ「……(唖然)」
7: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:53:22.64 ID:vDiHYXNLO
まほ「さらに」
エリカ「まだあるんですか?!」
まほ「この前、エリカの部屋に行った時だけれど」
~回想~
まほ「うん、エリカは自分の部屋をしっかり整理できているわね」
エリカ「はい!ありがとうございます!」
まほ「ベットメイクも良好。毛布も綺麗にたためている」
エリカ「このくらい当然です!」
まほ(うん、皆の手本にしたいくらい綺麗にたたまれて……あぁ、バウムクーヘン食べたい)
~回想終わり~
エリカ「点検の時そんなこと考えてたんですか?」
まほ「すまない。あまりにも見事なバウムクーヘンだったから……」
9: ◆45SR4r0flud5 2016/09/24(土) 23:59:26.43 ID:vDiHYXNLO
エリカ「話を聞いていると確かに異常ですね」
まほ「どうしようエリカ。このままでは食欲の化け物になってしまう」
エリカ「うーん、対策をとるとは言っても、今のところ体重に変化はないんですよね?」
まほ「えぇ、昔から太りにくい体質ではあったのだけれど」
エリカ「……それは羨ましいです」
まほ「とにかく、なんとかしないとそのうち花の種まで食べる女の子だと思われるような大食いキャラになってしまう」
エリカ「仮に大食いキャラが定着したとしても、そんな誤解のされ方をする人はいないんで大丈夫です」
11: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:05:57.05 ID:R9bFxtPMO
エリカ「まず、食べる回数を減らしましょう」
まほ「例えば?」
エリカ「例えばというか、具体的には間食禁止です」
まほ「うぅ、しかし腹が減ってはとも言うしな」
エリカ「隊長の場合、一回の量も異常ですから、そこも減らさないといけませんね」
まほ「量を減らす、か」
エリカ「こちらの方が簡単そうですね。しばらくはご実家には泊まらず艦内で生活しましょう」
まほ「そうだな、お母様にも相談してみよう」
12: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:10:20.03 ID:R9bFxtPMO
まほ「あれから一回の量を減らすことには成功した」
エリカ「案の定、間食の回数は増えましたね」
まほ「どうしてもお腹が減ってしまって……」
エリカ「うーん、次は見張りをつけて回数を制限しますか」
まほ「いや、自分で我慢する」
エリカ「それが難しいから困ってるんじゃないですか!恥ずかしがらずにお願いしますよ」
13: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:16:14.29 ID:R9bFxtPMO
エリカ「……なんとか回数を抑えて、量も人並みになりましたが」
まほ「」ぐー(お腹の音)
エリカ「……見事にやつれましたね」
まほ「……あぁ、………めまいがする」
エリカ「あの、やっぱり以前の食生活に戻すべきでは?」
まほ「でも大食いキャラが定着するのは…..すでにポンコツ扱いされつつあるのに」
エリカ「気にされてたんですね……」
まほ「しかし限界かもしれない。この前ふと気がついたら、カレーの歌を呟きなが空の鍋をかき混ぜていた……」
エリカ「ダメです。戻しましょう!ご飯食べてください!」
14: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:28:40.73 ID:R9bFxtPMO
まほ「嫌だ!わたしは絶対に大食いキャラにはならない!」
エリカ「隊長……」
アンチョビ「我慢は良くないぞ。特に食事はきちんと食べないとダメだ」
ペパロニ「そうっすよ!1日は豊かな食事で成り立ってるんっス!」
まほ「エリカ、アンツィオの屋台の幻覚が……」
エリカ「残念ながら本物です。何故アンツィオのあんた達が黒森峰で店を出してるのよ!」
アンチョビ「何故って、普通に許可もらってるぞ、ほら」
エリカ「え、嘘、この許可証本物…..って、許可したの隊長じゃないですか?!」
まほ「正直記憶にない」
アンチョビ「実務に影響出てるじゃないか…..全く、ちょっと待ってろ」
15: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:35:18.24 ID:R9bFxtPMO
ペパロニ「はい、鉄板ナポリタンとアンツィオ特製ピッツァお待ちっス」
まほ「これ食べてもいいのか?」
アンチョビ「どんどん食え。わたしのおごりだ。おかわりもあるぞ!」
まほ「うま、うま」ぱくぱく
エリカ「うーん、裏がありそうというか」
アンチョビ「失礼な!食に困っているものを助けるのはアンツィオの流儀だ!」
ペパロニ「そうっスよ!それで美味いと思ったら今度はお金を払って大勢の人と食べに来て欲しいっス」
アンチョビ「だいたい、今の歳から無理なダイエットなんてするな。体に悪いだろ!」
エリカ「え?ダイエット?」
アンチョビ「違うのか?」
16: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:42:07.87 ID:R9bFxtPMO
アンチョビ「なるほど、食欲が」
ペパロニ「確かにアンツィオ生と比べても食べすぎっスね」
アンチョビ「うーん、腹が減る。心当たりはないのか?ストレスとか、お前真面目そうだし溜め込んでるんじゃないのか?」
まほ「すと、れす?」
アンチョビ「大丈夫そうだな。安心した」
エリカ「ちょっとどういう意味よ!」
ペパロニ「姐さん!ストレスって何っスか?」
アンチョビ「お前らには一生関係ないから安心しろ」
ペパロニ「ひょっとして病気の種類っスか?さすが姐さん博識っスね!」
まほ「うーん、負荷というと最近はエリカに仕事を引き継いでいるからな。以前よりは減っているんだけれど」
アンチョビ「お前は頭いいのか馬鹿なのかどっちなんだよ……」
17: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:48:22.90 ID:R9bFxtPMO
アンチョビ「実務が減って、ストレスもないとなると、暇になりすぎてついつい食べちゃうのか?」
エリカ「なるほど、確かにぼんやりしている時間も多いような…..」
まほ「いや、最近は空き時間が増えたからトレーニングに使うようにしているんだ」
アンチョビ「トレーニング?」
まほ「あぁ、普段の訓練に加えて腕立て腹筋と言った筋トレを50回5セット、それに1日30km走るようにしている」
アンチョビ「はぁ?」
エリカ「え?戦車道の訓練とは別に、ですか??」
まほ「?そうだけれど」
アンチョビ「それが原因だよ!お前はアスリートか!」
まほ「え、えぇ、戦車道の選手だもの……」
18: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 00:57:15.83 ID:R9bFxtPMO
エリカ「結局、体を動かした分お腹がすくようになったと言うことだったんですね」
まほ「余計な心配をさせてしまったわね」
エリカ「いえ、わたしもそこまで考えていなかったので」
まほ「うん、秋はいい。体を動かすにも、ご飯を食べるにも」
エリカ「そうですね。運動の秋に食欲の秋、ですね」
まほ「今度お礼を兼ねてアンツィオへ食事に行こう。みんなでね」
エリカ「はい」
その後、黒森峰とアンツィオの戦車道の選手同士で交流会が行われ、有意義な練習試合と豪華な食事が振舞われた。
そして、黒森峰生にダイエットブームが起きるのであるが、またそれは別のお話
END
23: ◆45SR4r0flud5 2016/09/25(日) 01:14:44.09 ID:R9bFxtPMO
おまけ
ミカ「アンツィオにやってきたよ」ポロローン♪
貼紙『継続高校御断り』
ミカ「……仕方ない。食料を分けてもらったら帰ろう」
ミカ「……行くぞ!」ズッチャズッチャズッチャズッチャズッチャズチャタンタン♪
以下大捕物(BGM:サッキヤルヴェンポルカ)